人流データでインバウンド需要を可視化!円安で訪日観光客が増加する中で必須の活用術

Release 2024/06/17

人流データでインバウンド需要を可視化!円安で訪日観光客が増加する中で必須の活用術

人流データの活用でインバウンド需要を可視化し、円安の影響で増加する訪日観光客に対応!最新のシミュレーションと可視化技術を駆使して、観光業界での成功を目指す方法を紹介します。

目次

なぜ今、人流データが重要なのか?

インバウンド需要の高まり

日本政府観光局の発表によると、訪日外国人数は2023年9月以降は、コロナ前の2019年同様の水準にまで回復し、2024年3月には単月として過去最高を更新し、初めて300万人を突破しました。

訪日外客数(図1)

図1:訪日外客数

また、観光庁の「訪日外国人消費動向調査」2024年1-3月期の速報値で、訪日外国人における旅行中の消費額は、1兆7,505億円になり、こちらも過去最高を記録しました。

訪日外国人の旅行消費額(億円)(図2)

図2:訪日外国人の旅行消費額(億円)

円安による影響

2022年3月から始まった円安は、115円前後だったものが150円台まで進み、円安にメリットがある外国人には、旅行や買い物をしやすい状況が続いています。

外国為替USD/JPY(図3)

図3:外国為替USD/JPY

この円安の影響は、コロナ前2019年の訪日外国人一人当たりの消費額(旅行支出)が15.9万円だったものが、2024年1-3月期の速報値では20.9万円と大きく上回っていることからもわかる。

また、増えている消費額の約4割が宿泊費ということから、宿泊施設への高付加価値化が考えられる。

人手不足

帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2024年4月)」によると、インバウンド需要の高まりがみられるなかで、人手不足を感じている企業の割合をみると、「旅館・ホテル」では正社員で71.7%、非正社員で63.8%、「飲食店」では正社員で56.5%、非正社員で74.8%が不足と感じている深刻な状況が続いている。

また、国土交通省「タクシー事業の運転者数の推移」によると、タクシー運転者数は、ここ5年で全体の23.4%も減少し、タクシー業界も高齢化と人手不足が深刻化している。

GISで人流データを可視化するメリット

  • スマホ等からリアルタイムで収集された鮮度の高い情報が利用可能
  • 特定の日時や、任意のエリアの人の動きを把握できる
  • 現地調査にかかるコストを減らせる

人流データ可視化事例

時期別観光エリアの動態調査

桜まつり

<桜まつり>

GW

<GW>

桜まつりの時期は糸川沿いのあたみ桜がきれいな遊歩道に外国人観光客が集中しているのに対し、GWの時期は駅前商店街に最も人が集中し、海沿いのビーチや公園に広がりが見える。

観光案内所や宿泊施設における外国語案内の最適化などに活用。

観光客の移動需要把握

国内観光客

<国内観光客>

訪日外国人

<訪日外国人>

国内、訪日どちらもターミナル駅の京都駅や商店街やお店の集中している四条通りに観光客が集中しているのがわかる。さらに訪日外国人は「古都京都の文化遺産」のひとつとして世界遺産に登録された清水寺や周辺の産寧坂にも集中しているのが見える。

これらの国内観光客と訪日外国人の滞在エリア分布の差異をみることでインバウンド需要を把握し、観光客の移動需要に沿った車両配置計画立案等を実現できる。

ちなみに訪日外国人のマナー違反でニュースになっているローソン河口湖駅前店には、月に2~3万人の訪日外国人が訪れておりますが、観光地の河口湖畔よりも訪日外国人が集中していることが見える。

ローソン河口湖駅前店

<ローソン河口湖駅前店>

また、その7割以上がアジア圏からの観光客(グラフの暖色部分)であることもわかる。

国籍別訪日外国人比率(図4)

図4:国籍別訪日外国人比率

人流データ活用に向けた準備

必要なデータとツール

昨今の流行りは、人流データを活用するにあたり、特別な専用ツールを別途用意する必要はなく、サブスクによるクラウドサービスが主流となっております。

また、分析・可視化した結果はクラウドでの表示のみならず、ダウンロード可能なサービスもあり、他のアプリケーションやBIツールに取り込めるものもあり自社のデータと組み合わせることでより深い分析を行うことも可能となります。

シミュレーションを活かす分析力

サービスによっては、シミュレーションや分析レポートを提供できる広告代理店やコンサルティング企業のサポートを受けることも可能です。

さらに、分析結果を活用した広告サービスにつなげることも可能です。

まとめ

インバウンド需要が高まる昨今において、これまでの統計データでは把握できなかった訪日外国人の動きをタイムリーに把握できる人流データの活用は観光のみならず、様々な分野で可能性を広げつつあります。

人流データで「人々がいつ、どこへ、どう動くか」を可視化し把握することで、より効果的に顧客へアプローチすることが可能となるでしょう。

効果的な気づきをもたらしてくれる人流データの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

人流データに関するご相談などございましたら、お気軽にお問い合わせください。

著者紹介

著者織田 雅仁

株式会社ゼンリンマーケティングソリューションズ クリエイティブ本部/デジタルソリューション部

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